葬儀の基礎知識
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葬儀と告別式

1.葬儀の日程 2.葬儀の席次 3.葬儀・告別式の服装 4.最後の対面
5.釘打ち 6.出棺 7.喪主あいさつ 8.火葬場
9.火葬場での納めの式 10.骨あげ 11.遺骨を迎える準備 12.火葬場から帰ったら
13.精進落とし 14.神式葬儀の意味と手順 15.キリスト教式葬儀 16.葬儀の費用
17.社葬と遺族 18.社葬の運営 19.事前に密葬  

葬儀の日程
 「火葬・埋葬は死亡後二十四時間を経過しなければならない」と法律で定められています。これに基き、火葬場の予約状況や遠方に住む遺族などの到着時間や僧侶の都合などを考慮しながら日程を決めます。

 一般的に、死亡の日に納棺、翌日に通夜、翌々日に葬儀・告別式となりますが、火葬場の利用状況が日程の決め手となる場合が多いようです。遺体の損傷が心配されたり、死亡時刻や場所、死亡状況によっては死亡当日に通夜、翌日に葬儀・告別式という日程もあります。
 また、正月に葬儀は行わないのが習わしです。年の押し詰まった年末も弔問者に迷惑をかけるのでできるだけ避けます。その場合、遺族、近親者、ごく親しい友人だけで密葬を済ませ、松が取れる一月八日以降に改めて本葬を出す事になります。
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葬儀の席次
 葬儀では、祭壇に向かって右側が遺族・近親者の席で、最前列の中央通路寄りに喪主、続いて遺族、近親者と血縁の濃い順に座ります。祭壇に向かって左側は葬儀委員長や世話役代表、弔辞朗読者などが座り、この後に友人、知人、勤務先の関係者などが故人との関係や立場を考慮して順に並びます。
 喪主、遺族、近親者は葬儀開始十分前位前に式場に入るようにします。
自宅葬席次 斎場葬席次
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葬儀・告別式の服装
 葬儀・告別式には、遺族、近親者は男女とも喪服で臨みます。喪服は、和装、洋装ともに正式喪服と略式喪服があります。男性の正式喪服は、洋装はモーニングコート、和装は黒羽二重五つ紋付に羽織・袴です。しかし最近は、黒のスーツ、黒のネクタイ、白いワイシャツ、腕に喪章をつけた略式喪服が一般的です。ネクタイにはネクタイピンはつけません。靴と靴下も黒を着用します。
 女性の正式喪服は、和装は黒羽二重五つ紋付で、帯は黒無地の丸帯を縫い目を下にして締めます。下着、じゅばん、足袋はいずれも白で、草履は黒です。洋装は黒無地のワンピース、スーツ、アンサンブルなどで、いずれも長袖。アクセサリーは、パールか黒い色のものならつけてもいいとされています。鹿児島では和装が圧倒的ですが、若い世代では洋装が増えつつあるようです。化粧は薄化粧にとどめます。
 児童・生徒の場合、男女ともふだんの制服がそのまま礼装となります。なお喪主だけは、特別に「喪主」と書かれたリボンを胸に付けるようにします。
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最後の対面
 告別式が終わると、いよいよ出棺です。その前に遺族、近親者は故人との最後の対面をします。棺を祭壇から降ろし、棺の蓋を開け、喪主、配偶者、子供など血の繋がりの濃い順に、遺体の頭の方から対面していきます。
 その際、祭壇の供花の花の部分を取り、棺に入れて遺体を飾ります。一般的には、故人の顔の周りには白い花を、体のほうには色のついた花を入れます。納棺の時に入れ忘れた故人の愛用品なども入れますが、燃えにくいものは入れないようにします。
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釘打ち
 故人との最後の対面が済むと、棺の蓋が閉じられ、釘打ちが行われます。喪主から始め、遺族、近親者、友人と故人とかかわりの深い順に進みます。釘打ちは、葬儀社が用意したこぶし大の石を使って一人二回ずつ、軽く打ちます。
 釘を打ち終わると、世話役や葬儀社の人の手で棺がしっかりと閉じられます。宗派によっては釘打ちの儀式を行わない場合もあります。遺族らの最後の対面と釘打ちの間、一般会葬者は外に出て出棺を待ちます。
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出棺
 釘打ちを終えた棺は、遺族や故人と親しかった男性が式場から霊柩車まで運びます。棺の後には、喪主、遺族、近親者たが続きます。先頭には位牌を持った喪主で、次に血縁の濃い遺族が遺影を持ちます。鹿児島の自宅装では出棺の祭、玄関から出さずに、縁側などから出す場合が多いようです。また、地域によっては、集落の人達が棺を持つ事もあります。
 式場から棺を運び出す時は、遺体の足の方から先に出し、霊柩車には足の方から納めます。
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喪主挨拶
 霊柩車に棺を納めたら、火葬場への出発を前に、喪主が参列者に挨拶をします。喪主の代わりに親族代表が挨拶してもかまいません。
 挨拶の内容は

 1. 会葬に対するお礼の言葉
 2. 生前の厚誼に対する感謝の言葉
 3. 今後の遺族への支援のお願い

などで十分です。なるべく簡潔に述べます。鹿児島の自宅装では地域や集落を挙げての葬儀も多いので、加勢をしてくださった皆さんへのお礼もひと言、忘れないようにしましょう。挨拶の時は遺族は並び、挨拶が終わったら会葬者に一礼します。
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火葬場
 火葬場には喪主、遺族、近親者のほか、故人と特に親しかった友人・知人などが行きます。世話役は、前もって火葬場へ行く人を人選し、車の手配なども事前に葬儀社と打ち合わせておきます。

 火葬場には、死亡届を出した時に受け取った火葬許可証を忘れずに持参します。許可証がないと火葬はできません。遺影、位牌のほか花や供物なども持って行きます。
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火葬場での納めの式
 火葬場では、かまどの前に棺を安置し、位牌、花などを供え、「納めの式」が行われます。仏教では僧侶の読経の中を喪主から順に一同が焼香、礼拝していきます。僧侶が同行しない場合は焼香、礼拝だけとなります。
 納めの式は五分から十分程度が一般的です。納めの式が終わると、一同合掌のうちに棺はかまどに納められ、点火されます。

 火葬場によっては待合室やロビーなどの設備が整っています。火葬が終わるまでの約二時間は、その施設内で静かに待ちます。昼食をはさむ時間帯に行われる事も多いので、その時に同行者などに振舞う果物や菓子、食事なども事前に用意しておきます。火葬場によって異なりますが、一般的に火葬場では、飲食や飲酒を認めています。隣室の家族の迷惑にならないようにしましょう。
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骨あげ
 火葬には一時間から一時間半程度かかります。火葬が終わると、一同がかまどの前に集まり、骨あげをします。骨あげには対になった竹の箸か、木と竹を一本ずつ組み合わせたものを一人ずつ持って行います。
 一片の骨を箸ではさんで喪主や遺族から順番に人から人へ渡しながら骨壷に入れる「渡し箸」か、二人一組で喪主から順番に骨をはさんで骨壺に入れていくのがしきたりです。

 骨は、火葬場の係員の指示により、足の骨から順に上半身へと拾い上げていきます。全身が骨壺に納められた後、頭骨をかぶせます。最後に、のど仏を、喪主と遺族の中で故人と最も関係の深かった一人が拾いあげます。主な骨を拾いあげると、係員が骨壷を白木の箱へ入れ、白い布で包み、覆いをかけ、残りの骨を始末します。

 骨壺は喪主が持ち、血縁の濃い順に位牌と遺影を持って帰宅します。その際、係員が埋葬許可証を白木の箱に入れるのを確認しましょう。
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遺骨を迎える準備

 火葬場に同行しなかった留守番役は、葬儀・告別式の祭壇を片付け、部屋を掃除し、遺骨を安置する祭壇を設けます。葬儀社に依頼している場合、一連の作業は葬儀社の係員が行うので、留守番役の人はこれに協力します。

 遺骨用の祭壇は、小机に白布をかけ、遺影を中心に置き、その周りに葬儀で使った花や燭台、果物などを供えます。このほか、仏式では位牌と香炉、神式では榊、塩、洗米などを供え、キリスト教式では十字架や聖書などを置きます。
 自宅で行う場合は玄関口をきれいに整理し、清めのための小皿に盛った塩、手を洗う水を入れた桶とひしゃく、タオルを用意しておきます。宗派によっては「清めの塩をするのは好ましくない」とするところもあります。

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火葬場から帰ったら

 火葬場から遺骨とともに帰ったら、家に入る前に玄関先で用意した塩を胸や背中にかけ、手を洗って身を清めます。塩だけ振るところもあるほか、宗派によっては「清めの塩は迷信」として塩を振らないところもあります。
 帰宅した遺骨は、用意した祭壇に位牌、遺影とともに安置します。仏式ではこの後、「還骨経」と呼ばれる僧侶の読経があり、読経の中で一同が焼香します。最近は遠来の親戚などを考え、初七日の法要を兼ねて行われることが多くなっています。

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精進落とし

 初七日の法要で焼香を済ませると、一連の儀式が終了します。その際、遺族は僧侶やお世話になった人、葬儀に尽力してくれた人達に感謝とねぎらいの気持ちを込めて宴席を設けます。これが「精進落とし」です。
 精進落としは、古くは四十九日の忌明けに、肉や魚などを食べた事に由来します。最近は、遺骨が帰宅した時に行われる還骨経が初七日法要を兼ねる事が多いため、還骨経が終わった後、その場で精進落としに移るケースが多いようです。

 精進落としは、喪主が振る舞うものなので、お世話になった僧侶や世話役に上座に座ってもらい、喪主や遺族は末席に座ります。料理は、精進期間が終わったとして肉や魚料理も加わります。仕出し屋から取り寄せ、これに酒を添えて出すのが一般的なようです。宴席は早めに切り上げるようにします。

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神式葬儀の意味と手順

 神道では、故人の霊はなきがらを離れて祖先の霊とともに家にとどまり、一家の守護神(氏神)となるとされています。このため、神式の葬儀は「葬場祭」と呼ばれ、死のけがれを清め、霊を祖先の霊とともに守護神として祭るための儀式です。

 神式葬儀の一般的な流れは、通夜祭、遷霊祭に始まり、神葬祭(葬場祭)、出棺祭、後祓いの儀、火葬祭と進み、帰家祭で終わります。
 葬場祭はまず、手を洗い、口をすすいでから入場着席する「手水の儀」から始まります。ひしゃくですくった水は最初に左手に、次は右手に注ぎ、最後は左手に水を受けて口をすすぎ、懐紙で口と手をふきます。
 開式の辞、修祓(しゅうふつ)の儀に続いて、神饌(神の飲食物)と幣帛(供え物)を供え、楽を奏でた後、故人の経歴、功績、人柄をたたえた祭詞の奏上、しのび歌の奏楽があります。しのび歌奏楽の間に弔辞・弔電の披露、玉串奉奠などと続きます。最後は遺族代表が挨拶し、司会者が閉会を告げます。
 葬場祭の後は、遺体と最後の対面をし、霊柩車で火葬場に運ぶための出棺祭となります。出棺後は、神職が家の内外と出席者一同を祓い清める後祓いの儀が行われます。
 火葬場ではかまどの前で祭詞奏上、玉串奉奠をする火葬祭を行い、骨あげは仏式に準じて行われます。家に帰った遺骨は祭壇に安置され、拝礼、玉串奉奠の帰家祭が行われます。

手順の流れ
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キリスト教式葬儀

 プロテスタントでは、死後は天に召され、神に仕えるものとされています。このため葬儀は、故人が生前受けた神の恵みを感謝し、別れを惜しみ、遺族を慰めるための儀式です。カトリックの葬儀は、故人の生前の罪について許しを請い、天国で永遠の安息を得る祈りが加わります。

 式次第も、プロテスタントとカトリックで多少の違いがあります。プロテスタントの葬儀は、参列者が着席した後、賛美歌斉唱、聖書朗読、祈祷、賛美歌斉唱、故人の略歴朗読、説教、祈祷、弔辞・弔電披露、賛美歌斉唱、祈祷、遺族代表挨拶などと進み、最後に献花が行われます。

 カトリックの葬儀は、棺が教会に到着して祭壇に安置するまでの入堂式、神父と参列者らが復活への希望と家族への慰めを祈るミサ聖祭、棺に聖水を振りかけ、洗い清める祈祷へと続きます。この後、弔辞・弔電披露、献花、遺族代表挨拶が行われます。

 葬儀が教会で行われる場合、二、三列目まで遺族らが座るので、会葬者はその後ろから空いている席に着席します。自宅や斎場でで行われる場合も同じです。

キリスト教葬儀流れ
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葬儀の費用

 葬儀に要する費用には、大きく分けて「葬儀施行費」「宗教関連費」「飲食接待費」の三つがあります。
 葬儀施行費には、祭壇や棺、骨壷、遺影写真、供物、門前灯、霊柩車の運賃や火葬料、司会の人件費、葬儀会館使用料、礼状、返礼品などの費用が含まれます。葬儀社に依頼する場合、一定料金のコースに含まれているものと、別途料金を求められるものとがあります。宗教関連費には僧侶に支払うお経料や戒名料など、飲食接待費には通夜ぶるまいや精進落としなどが含まれます。

 葬儀費用は、故人の社会的地位や喪家の事情、葬儀社にどの程度依頼するかなどで大きく異なります。葬儀社に依頼した場合は、宗教関連費、飲食接待費も加えてトータルで八十万円〜百五十万円程度が目安と考えておけばいいでしょう。

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社葬と遺族

 故人が会社社長など要職に就いていた場合、社葬が行われる事があります。また学校、協会、自治体などで団体長を務めていた場合は学校葬、協会葬、市町村葬などの団体葬が行われます。

 社葬を行う場合、葬儀の進行は会社で選出された葬儀委員によって行われます。遺族にとって、社葬の申し入れを受け入れると、ほぼ会社にまかせっきりとなります。それだけに、遺族の意向がなかなか反映されにくいといった事にもなります。事前に会社側の意向と遺族の希望との意思の疎通、意見調整が大切です。

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葬儀の運営

 社葬は、その会社の信頼につながる重要な儀式となります。それだけに、社葬を厳粛かつ手際よく運営するために、明確な指揮系統、担当者の役割徹底などが大切です。
 葬儀委員長は、今後の会社経営を司る人物が務める事になります。実質的に社葬を運営する実行委員長は、一般的には総務部長が就く事が多いようです。

 社葬が決定したら、得意先、関係先などには文書で通知します。連絡漏れがないよにするには、事前の連絡名簿作成が欠かせません。このほか、一般の人には新聞の「社葬広告」で知らせます。社外からの確に答えられるよう、社員に周知徹底を図るほか、担当者を決めて問合せの窓口を一本化するなどの方策も必要です。

 社葬や団体葬は、会社や団体を挙げて葬儀をもって故人の功労に報いるものなので、費用は主催する会社や団体が負担します。一般的に、密葬の費用は遺族が負担します。

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事前に密葬

 社葬は規模、参列者の範囲が幅広い事などからそれなりの準備期間が必要になるため、亡くなってから日を空けて行われる事が多いようです。したがって、社葬に先立ち、ごく内輪の人だけが集まって火葬まで済ませる密葬が行われます。
 密葬でも、葬儀・告別式など一連の流れを一通り行う場合があります。最近は本葬に準じた形で行われる密葬もあり、こうした場合は知人や友人、取引先など外部関係者も参列する事になります。

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